キスをお先に、頂きました





「アイツだって、付き合う相手くらい、選ぶよ。

好きまではいかないくても、
気になる奴じゃなきゃ、絶対に付き合わないよ」




「……でもそれって、私がしつこかっただけじゃない?」





「そうだとしても、5回も告白してやっとオッケーしたんだよ?


向こうもその度に悩んだんじゃないかな、ちゃんと」







…残念ながらそう思えないから、悩ましい。




それでも――








「あーあ、だめだよぅ…栞菜……。会いたい」






私は泣きそうになりながらテーブルの上に突っ伏した。