キスをお先に、頂きました






「…クリスマス、ちょっとだけ会えないかな……」






そう呟く私を見ながら、栞菜は顔をしかませた。







「付き合ってるんだから、普通にさ、アイツに頼めばいいよ」



「……うざい女だって、思われない?」




「でも普段からそういうこと、アイツに要求してるわけじゃないでしょ?」



「うん……」






言わないようにしてる。



ワガママな女だって思われてもっと嫌われるのは、一番嫌だから。