キスをお先に、頂きました





……それから、栞菜に気づかれたことも。





「……泣いてないよ」





私は涙を拭った。




『そう……』






栞菜はそう言っただけで、それ以上はなにも言ってこなかった。








『じゃあ、朱加…おやすみ』


「…おやすみ」





携帯電話が切れるのを確認すると、私はベッドに放り投げた。




それから再び枕に顔をうずめて、涙をさっきよりも流した。