キスをお先に、頂きました






遥葵に言っても言わなくても…きっと私は遥葵とクリスマスは過ごせなかった。





「じゃあ、おやすみ栞菜。ありがとうね」





そう言って、電話を切ろうとした時だった――






『……あ、朱加』


「うん、なに……?」






栞菜に不意に止められる。






『…他に、なにか……私に相談したいこと、ない?』


「ないよ……」





なんだろう。言っていいのかな。



わからなくて、とりあえず誤魔化す。






『……朱加…もしかしていま、泣いてる…?』






唐突に指摘されて、気づく。



……なんで?



私、泣いてるの……?




頬に流れた水滴が不思議だった。