「……寒いね、早く、帰りたい」 誤魔化すようにして言ったけれど、切実に思う。 もう遥葵をおいてでもいいから、 先に帰ってしまいたい。 この道を真っ直ぐ走って……。 ――ああ、私、意気地なしだ。 もう、意気地なしでいい。 クリスマスまで、後5日。 冬休みは明日からだ。 つまり、遥葵と次にしゃべれるのは年が明けて始業式の日…。 だからもう、今日しかチャンスは、ない。 もう終わった。 でも、これも自分で選んだことだもの。 遥葵に確実に、嫌われない選択――