前置きすっ飛ばして『とりあえずヤラせろ』的なこの展開。
この人どんだけわたしの扱い適当なんだよ。クリスマスにデートに誘った女の子への扱いにしては、いくらなんでも雑過ぎでしょ。
こっちはさ、後輩はたくさんいるのにあたしだけに声をかけてきたってことは、ちょっとは先輩にとって気になる存在だったのかなとか、あたしにすこしはいい印象があったのかなって、ちょっぴり期待してたのに。
先輩があたしを選んだ理由は、たぶん「こいつならヤれそう」だったからなんてさ。ひどすきじゃん?
「ほらほら舞ちゃん、悪いようにはしねえってば」
先輩はどんなにあたしが嫌がっても、引いてくれそうにもない。あーあ。
-----さよなら、あたしのクリスマス。バイバイ、高2のラストチャンス。
* *
こうしてあたしは持ってたバッグを先輩の顔面に強烈に叩き付けてやって撃退して。
カップルであふれたラブホ街をひとり突っ走る、ぼっちよりもミジメなクリスマスを味わったのだった。


