「じゃあついでに、もうひとつの夢も叶えてやるよ。……ほら、おまえの部屋行くぞ」
ん?
「おまえさ、杉谷と『クリスマスにイイ雰囲気になれたら、エッチもアリだよね』とか話してたらしいな。杉谷から聞いてるぞ。『クリスマスに初体験もロマンチックかも』って言ってたって」
はあ?なんで玲奈のヤツ、希鶴なんかにそんな話を………。
「つーわけで、ロマンチックなことでもヤりに行くか」
え?
「………………本気?」
「大真面目」
そういって希鶴はあたしを引き摺って、2階のあたしの部屋に行こうとする。
「ややややや待ってそれは言葉のアヤというか少女漫画の読みすぎというかドラマの見すぎというかあくまでそういう夢見がちな女子高生の妄想的な願望であってノリで言ってただけでほんとマジにリアルにそういうシチュ求めてたわけじゃなくて……ッ」
「遠慮すんなよ。俺とおまえはもうカレシとカノジョなんだろ?」
そういってにやりと黒い笑みを浮かべて、希鶴はあたしの腕をぐいぐい引っ張ってくる。


