「『かも』は余計だろ」
「あ、うん。………なんか余計だったみたい。……自分でもちょっとびっくりしてるんだけど。………希鶴のこと、なんか好きだ、あたし」
言った途端、希鶴はあれだけ人に「言え言え」いってたくせに固まってしまう。
「あはは、……なんかすごいヤバいの。あたしさ、希鶴のこと、めっちゃ好きなような気がしてきたし……ひゃあっ」
言葉の途中で、すごくうれしそうな顔した希鶴に、急にぎゅっと抱き締められて、チュってされて胸がキュンってなる。
どうしてだろ、毎日みたいに希鶴の顔見てたくせに。希鶴があたしのものだと思って見ると、その顔がなんかますますかっこよく見えてきてしまう。
「舞、好きだ」
「………はは、なんか夢、叶っちゃったし」
ちょっと恥ずかしいけど、あたしも希鶴を抱き締め返しながら言う。
「クリスマスに、カレシ出来ちゃったし」
あたしがめっちゃ照れてると、希鶴はなぜか満面の怖いくらいの笑顔でよからぬことを言い出した。


