クリスマスデートから帰ってきたら、幼馴染みが豹変してしまいました。


さっきまで他の人とデートに行ってたってのに、もう希鶴にOKしちゃうなんて自分でも調子いいなって思う。ズルいとも思う。


けどすでにあたしは希鶴の真剣さにドキドキしてしまってる。



人を好きになること以上にドキドキすることなんてあるわけないって思ってたのに。

誰かに好きになってもらえることがこんなにドキドキすることなんだってことを初めて知って、あたしの気持ちは早くも希鶴に引っ張られ始めていた。




「じゃあちゃんと、俺のこと好きって言えよ」

「えっ、そ、それは無理だよっ」



さすがにそれは恥ずかしい。でも希鶴は「俺は何度も好きつってんだからおまえも言え」って言って許してくれない。

おまけに「言わなきゃこのままここでヤるぞ」なんてあながち冗談でもなさそうなことを言い出す。



「ま、待ってよ!心の準備が……」

「俺は十分おまえの鈍いの待ったっての。もう待たねえよ」

「うわ、えっと、だから。………………希鶴が………すき、…かも…?」



まだ確信でなかった気持ちが、口にした途端ちゃんとした形になって。それが自分の胸の中にきちんと納まったような、不思議な感覚。

そのふわふわした気持ちがあまりにも恥ずかしくてしあわせで、あたしは誤魔化すように笑っていた。