「……それってさ、クリスマスのノリで言ってるんじゃないよね?」
「おまえな。そういうこと言うならあらゆる手段を講じて、俺が本気だってこと今すぐおまえに思い知らせてやろうか?」
そういって不穏な目付きになった希鶴は、またあたしのことをテーブルの上に押し倒してこようとする。……なんか食われそうだよ。っていうか本気ってそういう意味で!?
「ちょちょ、ちょい待った!本気伝わりましたんで!」
「で答えは?」
希鶴は一気に攻勢に出てくる。
「俺のこと嫌いか」
「いや、嫌いではないような………」
「じゃあ好きってことだよな?」
「えっ、それはちょっと、極論すぎというか……」
「じゃあ嫌いってわけか」
「……そうとは言わないけど……」
「なら好きってことでいいだろ」
そう強引に結論付けて、希鶴はあたしのことを見つめてくる。
見慣れた幼馴染の顔。
でも今日の希鶴は鬼軍曹のときとも、学校にいるときとも違って、あたしのちょっとした言葉や態度でも傷ついてしまいそうなくらい、必死でまっすぐな目をしている。
-----希鶴はあたしのこと、ほんとに好きなんだ。


