クリスマスデートから帰ってきたら、幼馴染みが豹変してしまいました。


「は?何言ってんだよ、気付かなかったとか、見え透いた嘘ついてんじゃねぇよ」
「う、嘘じゃないっす!」

「……どんだけ鈍いんだよ、おまえ」
「悪いのあたしなのっ?!っていうか、希鶴がちゃんと言ってくれなかったんじゃん!」

「つか周りはみんな知ってたぞ。だから昼休みには誰も部室に近寄らなかったし。シンゴ先輩とかおまえに目を付けてた野郎どもには、牽制の意味も込めて俺がおまえ狙いってむしろおおっぴらにしてたしな」

「は?けんせい?なにそれ、冗談?」



だってあたしモテてたことなんてありませんよ?

そんなことを思って希鶴を見上げると、希鶴はなんとも言い難そうに苦笑する。



「……たしかに嘘じゃなくて、おまえド級に鈍いのはマジらしいな。で。それはいいとして。おまえ俺のことどう思ってるんだ?」


いきなりはなしの矛先を変えられてあたしは言葉に詰まる。


「……いきなりそんな、どうって言われましても……」

「今日はいろんな女から誘われたけど、俺はおまえ以外考えらんねぇ。おまえはどうなんだ?」

「えっ、希鶴、誘われてたの?」

「どうでもいいだろ、そんなこと。今は俺が聞いてんの。俺はおまえが好きだ」



希鶴の直球が、戸惑うあたしの心に真っ直ぐに食い込んでくる。