「な、なんか文句ある?」
でもどうしたわけか。
今日の希鶴はいつまでたっても何も言ってこない。あたしから視線も外して、黙っている。
「……希鶴?」
怒っているのかいないのか、何を考えているのかもわからない無表情。
なんかすごい、気まずい。
「………っていうかさ。希鶴も何もクリスマスにまで、ウチ来て勉強することないじゃん?」
沈黙が怖いのと気まずさのあまり、あたしは手のひら返したように自分から態度を軟化させてへらへら笑ってみる。
「まーでも、デートの予定もないぼっちは他にやることなんてないもんねー」
希鶴は無反応のまま。その硬い表情を見たら、また反射的に口が開いて取り繕うようなことを言ってしまう。


