先生にワークを渡して、また二人だけの時間になった。
『斉藤拓也って係何だっけ?』
沈黙を破るように聞いた。
「俺、保健委員。ってか斉藤拓也って…フルネーム?」
また笑って言った。
『だって、なんて呼べばいいか分からなくて…』
自分で言って恥ずかしくなった。
確かにフルネームで呼ぶ人なんていないよね。
「拓でいいよ。みんな下の名前で呼んでるし。」
拓…。無性に特別な感じがした。
『そんな幼稚園児みたいな呼び方していいの!?』
「幼稚園児って…。蒲原さんって本当におもしろい。」
今度は腹を抱えて笑い出した。
私も一緒になって笑った。
