【綾都side】


今俺は、車のなかで

隣にはミルがいて

すごく幸せだけど

ミルはなんだか不安そうだった

理由は分かってる




あの日、
ミルに好きだっていった日に
見つけて泣いて逃げ出した
あの、女


『……患者さんだ……』



ミルも、覚えていた

だからこそ、ミルは恐れて



「ミル?」


「なーぁに?」

眠いのか、目を擦りながらこっちを向く

「あいつ……北条さんは、気にするなよ?」

一瞬固まったように見えた

あんなに睨まれたら怖くもなるな