焼き肉屋で、隣に座った龍雅に声をかけた。 「あたしは傷つけることしかできないのかな…」 龍雅はその質問には答えないで、あたしのあたまをそっと撫でてくれた。 涙が出そうになるのを必死にこらえる。 大丈夫、大丈夫。 そう心で呟いて。 「ちょっと、それあたしのなんですけど!」 「お前は子供か、ほら…」 子供のように叫んだ奈々葉と、あきれるように言った桐斗。 そしてそれを楽しそうに見る尚。 自然とあたしも笑顔になれて。 「ありがと…」 小声で呟く。