「よく耐えたね」 奈々葉のあたまを撫でて、落ち着かせる。 奈々葉が手を出さなかったことは奇跡に近い。 この子の短気さはあたしたちがよく知ってる。 まぁ、あたしも短気だけど。 「今日は…焼き肉いこーか」 龍雅の奢りで、と付け足して、笑顔になった奈々葉と二人で屋上の出口に向かった。 「んで俺の奢りなんだよ…」 龍雅の呟きは無視。 「ほらー、行くよ!」 うしろの二人に叫んだ。 学校の門を潜る直前に見つけた尚も連れていく。