そして、こう続けた。 「里志はいつもいってた」 そういって、一呼吸する。 「こいつ…湖亜のためなら死ねる、俺の一番大切な人だからって」 「…ぅ…」 とまっていた涙がまた溢れてくる。 「泣くなって…」 あの頃の龍雅のこえ。 「泣くなよ…」 そして今の龍雅のこえが重なる。 「里は…あたしを…」 目の前の墓石がぼやけて見える。 「そうだな…でも、あいつが望んでやったことだ」 「そうだとしても、あたしが殺したのよ…」 あたしが死ぬはずだったんだもの。