それでも、みんな自分の席に戻ろうとはしない。 「もうい…」 「弟殺し?こいつが里志を殺したとこを見たのか?こいつが里志に包丁でも向けたのか?首しめた?…トラックに引かせようと、後ろから押したのか…?」 もういい、そう言おうとしたのに。 龍雅はあたしの言葉を遮った。 「ごめんね、おく…」 「なんとかいえよ‼」 入ってきた先生の言葉さえも遮る。 「俺は、あの場を見たんだよ」 「え…?」 流れていた涙さえもとまる。 「こいつはなにもしてねーよ…里志が自ら身代わりになったんだ」