感情を出してしまったあたしに、その言葉は重かった。 血の海に倒れる血まみれの里が頭に浮かぶ。 「ほら、泣くなよ」 龍雅が優しく頭を撫でてくれる。 「りゅ、龍雅くんっ‼その女は弟を殺したのよ!?」 「お前は見たのか?」 「え…?」 「お前は見たのかって聞いてんだよ」 龍雅のその言葉を聞いて、黙りこむ女。 キーンコーンカーンコーン 授業が始まるチャイム。 先生はまだきていない。 でも、時間の問題だ。 静まり返った教室。 遠くから足音が聞こえてきた。