「里志(サトシ)…里…」 ぼやけて見えた目の前は、もうなにも見えない。 涙で遮られる。 弟が死んだのは、三年前。 年子だった。 まだ、鮮明に思い出せる。 「里っ」 真っ黒なランドセルをかるった男の子に元気よく抱きつく。 「湖亜‼」 あの日も、いつものようにいっしょに帰ってたんだ。 帰って、一緒にテレビゲームをする約束だった。 なのに。