でも。 入り口からみえる他人のお墓を見ているだけで、足が重くなる。 元々歩くスピードが遅いのに、もっと遅くなる。 もう、帰りたい。 いろんなことがあたまの中で浮かび上がる。 視界がぼやけた。 「ついた…」 さきに歩いていた龍雅が止まって、自然とあたしもとまった。 「あ…」 墓石に刻まれた稲木の文字。 龍雅の手をほどいて、膝まづくように座り込む。