「ねぇ、奈々葉」
「ん?なに?」
「今日クラスいこー」
「いいよ、いこ!」
奈々葉は元気よく返事すると、あたしの手をとってスキップし始めた。
当然のことながら龍雅と繋いでいた手は離れる。
「昼に行くね!」
龍雅にそう叫ぶと、軽く手をあげて答えてくれる。
教室につくと、もう先生は来ていて。
生徒もみんな座っている。
あたしと奈々葉に気づいた担任が、声をかけた。
「稲木、森先、珍しいじゃねぇか」
「そうー?あ、でも久しぶりかも」
奈々葉がのんきにこたえて、窓側の一番後ろとその前の席に座る。
前に座った奈々葉が後ろをむいてきた。
