機嫌悪くするなよ、と呟きが聞こえて。 二階に上がりきったとき、気を付けろよー、とのんきな声が聞こえた。 「何に気を付けるの…」 呆れながらそう呟いて、一番奥の部屋のドアを開けた。 「はーい、龍雅」 シャッ カーテンをあける。 「おきてー」 少し山になった布団を思いっきり脱がす。 「ぅ…おま…」 龍雅は時間を確認すると、あたしに目を向けた。 てゆーか、さすが兄弟よねぇ。 整った顔はほんとに似てる。