学校にいくために家を出たのは、奈々葉と電話を切って数分後。
そしてまた、隣の家の玄関をあける。
「あ、湖亜」
「おはよー」
「おは、今日早いね」
「優雅も早いじゃん」
今会話をしているのは中野優雅(ナカノユウガ)。
高校一年で、ここから一番近い不良高に通っている。
「つか、入学早々先輩に呼び出し食らったらしーじゃん?」
ケラケラ笑う優雅がなんだかうざく思えて。
「はぁ?あたし悪くないし」
てゆーか、あれって。
「目付きとか気にしすぎだろ、心せま」
「おまっ…笑わすなっ…腹いてぇ…」
やっぱうざいわ、と吐き捨てて、二階へとあがる。
