「ついだぞ」


「ここって…」


「懐かしくね??」


びっくりした。


雄大からのこんなサプライズがあるなんて。


「どうしてここ??」


目の前には海。


「よく来てた場所って言ったら、ここだろ??」


「う、ん…」


「ほら、近く行こうぜ」


「あっ、うん」


雄大に引っ張られる私。


ほんとに懐かしい。


何年ぶりかな。


しばらく行ってなかった。


いつからだっけ。


小学校四年以来かな。


お互い忙しくなったもんね。


木の下のベンチに座る。


海の音。


すごい綺麗。


「ありがとう、雄大」


私は雄大を見つめる。


いいな、何かこういうの。


カップルなら行きたいときに行けるんだろうな。


ま、私たちはカップルでもなんでもないから。


行けるのはここまで。


「別に」


「夜の海、いいね」


「あぁ。キラキラしてるな」


「うんっ、」


ほんとにありがとう。


「あのさ」


「え??」


雄大は言う。


「…いや、」


「ん??なぁに??」


「…俺さ」


「ん??」


「…が、」


「え??」


よく聞こえない。


「…だから、お前が…好きなんだけど」


…え


「ええー!!??」


「うるせえ」


「だっ、だって、えっ??」


雄大??


寝ぼけてる??


「マジだから」


「えっ、し、信じていいの??」


「信じてほしい。てか、信じさせる」


「え…ちょっ、ちょっとぉ」


近づく雄大。


私は後に引く。


雄大は私の肩に手を置き、


「んっ、」


そっとキスした。