朝。


「行ってきます、母さんっ」


「あれ、今日から雄大君が迎に来るんじゃなかった??」


あ…そういや昨日言ってたっけな。


「いいのいいのっ、ビックリさせてやろ」


「あ、そう??なら行ってらっしゃい」


「行ってきまーす」


本日二回目の行ってきますです私は家を出た。


私は隣のシックな家のインターホンを押す。


隣の家なのになんか、私と雄大の家は真反対。


雄大の家は茶色っぽいおうち。


私はもう、真っ白って感じの家。


ガチャ


「雄大!!おはっ、」


バタン


「へっ、ちょっ!!」


なんで閉めるの!!??


え??


「雄大…??」


あの…


ガチャ


「なんでいんの」


雄大はパジャマで歯磨きをしていた。


「え…なんでって、」


「俺が迎えにくって言ったよな」


「あ、はい…でも、雄大が心配で…」


「そんなに信用ねーのかよ。おま…真帆に何かあったらだめだろ??」


「ないよ、こんな近いのに」


「そんな分かるかよ。いいからおとなしく家で待ってろ」


「分かったよー」


私は背を向ける。


「おい、どこ行くんだよ」


「雄大が家で待っとけって…」


「もう今日はいい。来ただろ??」


「…うん、」


「上がれよ、まだ時間あるし」


「うん、」


私は雄大の家に上がる。


「部屋おって??俺、さっさこれしてくるわ」


「あ、うん」


雄大の部屋に行く。


なんか久しぶりって感じだな。


いつも私ん家だったもんな。


私は適当にベットに座る。


まあよく小説であるこの後は、お決まりの、ね。


だけど今までそんなこと雄大とは一切ないし、安心安心。


「なに安心しきってんだよ」


「ひゃっ」


飛び跳ねる私。


え、私の心の声…聞こえた??


「安心しきった顔してんじゃねえよ」


「は、はい??」


かお、か。


なんだ。


「まあいいけど。俺着替えるわ」


「うんっ、」


「あ、そだ」


「うん??」


「今日放課後俺ん家な??」


「分かったよー。あーっ!!」


「あ??」


「DVD!!一緒見ようよ!!」


「DVD??」


「うんっ、借りてまだみてないの!!恋愛ものなんだけどねー」


「あー、はいはい」


「何よその適当な返事ー」


「いや」


「あー楽しみーっ」


「ったく」


「もうっ、」


「なんだよ」


雄大はネクタイを整える。


「ばーか」


「はっ??」


かっこいいんだから。


あー、どうしよう、私ベタ惚れ…。


「なんだよ訳分かんねー」


それから私は雄大をじっと見た。