昼休み

「あんたー、佐倉先生とどんな関係なの?」

「別に」

 しつこく迫ってくる花怜を適当にあしらって、私は黙々とパンを食べ続けた。

「つれないわねー」

 花怜は私のパンをぶん取って、もぐもぐと食べ初めた。短いスカートが捲れるのも気にせず、胡座をかいて完食した。

「私のお昼…」

「あら、そうらったの?ざんへんらったわね」

 口一杯に頬張ったまま、しゃべるもんだからちょっと変だ。

   ピーンポーンパーンポーン

 校内放送だ。

「2年2組幸乃舞、理解準備室まで」

   ピーンポーンパーンポーン
「悠里…ちっ」

「今の放送…、佐倉先生の声よね。というか今悠里って…幸乃っ」

 私は花怜の呼び掛けを無視して理科準備室に向かった。少しでもドキドキしている自分がムカツク。