私は恋なんてしない、どんなに皆が急かしても恋なんてしない。

 私は独りでいたい、独りでいた方がもう二度と悲しむことなんてないと思うから。


 この窓際で何冊の本を読み終えただろう。やっと風も少し暖かくなってきた。遠くに見える都会のビルが羨ましい。

「幸乃!」

「はいっ」

「どこをみている…、俺の授業はそんなに暇か…」

 忘れていた、今は授業中なのだった…。