Green Magic〜草食系ドクターの恋〜

5-3
加奈の地元近くでコンビニに寄った時、ここで話そうと決めた。


オーディオもオフにして、静まり返る車内と僕が何も離さないことに違和感を覚えたのか、加奈が「タローくん、どうしたの?」と僕の顔を覗き込んできた。

僕は、ハンドルに身を預けて、目を閉じた。

やはり、なかなか言い出すことができない。

加奈の視線を感じる。

息を何度も大きく吐い出してはタイミングをうかがった。

どれくらいの時間、こうしていただろう。

いい加減、前に進まなければと思い、下唇を噛んで、腹に力を入れ、上体を起こした。

最後にまっすぐ前を見て、息を大きく吐き出した。

そして、助手席の加奈の方を見た。


加奈は、不安そうな表情をしていた。