恋空Orange*

勢いで立ち上がったまま、しばらく驚いて口がきけない俺を尻目に、


霜塚は笑いながらも悠々と、


俺の前の席に肩に掛けた荷物を降ろす。


「てかさー、俺おまえと同じ中学にあがんの楽しみだったのに、おまえ、抽選で他行きやがってー」


椅子を180度回転させた霜塚の、鋭い視線。


言葉詰まる。


「だって、俺、剣道部ある中学行きたかったんだよ、西中、剣道部なかったじゃん」


俺たちの小学校の学区内の西中には剣道部がなくて、電車で一駅の北中には剣道部があって。


受験する気はさらさらなかったから、迷わずそこの抽選を受けた。