一時限目の始まる前。


朝のHRはカット。


前も後ろもまだ来ていないせいで、


話し相手がいなくてつまらない。


机に突っ伏して、そっと斜め前を見る。


早速新しい友達を作ってわいわいやってる篠原をチラ見して、


慌てて視線を戻す。


篠原は、いつだって楽しそうだ。


うちの兄貴の彼女さんだって、こんな、心底楽しいですって笑顔はじゃない。


ああ、そうか。


多分、変にドキドキするのはあの笑顔のせいなわけだ。


机の上の鞄に顔をおしつけた。


くっそ。


じゃあ。もう絶対見ない。