恋空Orange*


佐藤先生とは、歴史の先生の名前で。


はげつる頭がテカってるところが妙にリアルだし、


お世辞にも上手いとは言えない絵だけど、


何かセンス感じる。


“似てる??”


ノートにさらさらと篠原がまた綴る。


似てるよ、と口で言おうとして慌ててつぐむ。


何か書くものはないか見回して、近くにあった手帳を開いた。


“似てる”


書いてすぐ、机の左上にさりげなく手帳をずらしてみる。


篠原は一度教卓をチラ見すると、俺の手帳に視線を向けた。


手本のような篠原の字と比較して、俺の字の何て下手なことか。


篠原は無言で自席に向き直ると、ノートの端に、また小さく落書きして俺によこした。


見れば、ちょっと誇らしげにドヤ顔する猫の絵が描いてある。