二人は一人


そして、その人が口を開いた。

「おい。そなたは、確か…成乃とかいうたの。」
「はい!あの、あなたは?」
「そなたは、何回も私に自己紹介をさせる気か。よく聞いておれ。そして、覚えよ。」
なんだか、思い出せそうで思い出せない。あは!
「はい。」
「私は、巧じゃ。しかと、覚えておけ。もう、二度と自己紹介は、せぬ。わかったな?」
「あ、はい。」
「それでよい。しかし、そなたは身体が病弱なんじゃの。か弱いおなごは好かれやすい。私は、じゃじゃ馬だったからあまり、人から好かれてはおらんかった。」
「それは、違うと思います。
わたしは、確かに身体は、弱いです。
だけど、好きでこうなったんじゃないんです!生まれつき、身体が弱いんだそうです。あまり、詳しくはわかりませんけど…。」
「そうなのか。すまなかった。
しかし、それは天のさだめであう。」
なんだか、巧さんは悲しいようなどこか遠くを見ていた。