「安産だと良いのですけど・・」

「はい・・」

気まずい沈黙が流れる。

沈黙を破ったのは、磐城だった。

「結婚おめでとうございます。照姫様。」

「ありがとう、磐城。けど、急に改まらなくてもいいのよ。
・・・ねえ、磐城。もう今までみたいに一緒にいれなくなるのかな?寂しくなるね。」

磐城が儚さを滲ませた微笑を浮かべながら答えた。
「綿谷様に失礼でしょう。私は、姫様の従者である前に男なのですよ。」

「磐城のこと男としてなんて、見たことないわ。私の兄上だもの。そんな悲しそうな顔しないで。大丈夫よ、今まで通りとまではいかなくても、私の従者として、磐城と早苗は綿谷様と結婚してもずっと一緒よ。」
照姫の頬を紅潮させ、はにかんで答えた。

「・・・はい、照姫様。」