「着きましたよ、旅籠に。」
担ぎ手の一人が声を掛ける。

「ありがとう」
照姫は、輿を降り、担ぎ手にお礼を言った。
そして、三人は旅籠へ入っていく。

米島の綿谷宅はもう目の前である。