「照姫様、どうぞお泣きください。苦しいときは、はき出すのが一番の薬です。」
自分の上着を照姫にそっとかけてやりながら、優しい声音で言った。
「・・大丈夫です、離して下さい。」
離してもらおうと、身じろぎする照姫を離さないよう主計は腕の力を強める。
「私は、あなた様の半身ですよ。他の人の前で気丈に振る舞っても、私の前では本音を言ってもよいのです。事情は分かりませんが、詮索致しません。しかしながら、愚鈍な私のせいならば、おっしゃってくださいね。すぐお退きしますから。」
「・・あなた様のせいではありません。ただ、自分の身が恨めしく思っただけなのです。母上の過去を聞いて・・それでわたしは・・・」
そこまで言ったところで、泣き出してしまった。とめどなく涙を流す照姫をただ優しさだけをもって主計は包み込んでいた。
自分の上着を照姫にそっとかけてやりながら、優しい声音で言った。
「・・大丈夫です、離して下さい。」
離してもらおうと、身じろぎする照姫を離さないよう主計は腕の力を強める。
「私は、あなた様の半身ですよ。他の人の前で気丈に振る舞っても、私の前では本音を言ってもよいのです。事情は分かりませんが、詮索致しません。しかしながら、愚鈍な私のせいならば、おっしゃってくださいね。すぐお退きしますから。」
「・・あなた様のせいではありません。ただ、自分の身が恨めしく思っただけなのです。母上の過去を聞いて・・それでわたしは・・・」
そこまで言ったところで、泣き出してしまった。とめどなく涙を流す照姫をただ優しさだけをもって主計は包み込んでいた。
