海沿いの宿場町を出発して、山あいの田園地帯に入っていく。

その米島のはずれの武家町で、一番大きな家が、照姫の嫁ぎ先、綿谷主計の家である。


「姫様、到着いたしました。」

照姫は輿から降り、門の前に立っていた男を見た。