丑の刻も過ぎていくころ、仄かな光が見える旅籠の一室でまだ話し声が聞こえてくる。 「磐城、どこまで言ったの?」 「大体の概要のみです。」 「そうですか、けれど私に相談もせず・・・、気をつけなさい。」 「はい、早苗様。」 そんな会話が闇に吸い込まれていく。