「それじゃあね」 「はい、ありがとうございました」 いかにもお金持ちそうなおじさんと肩を並べながら、帰ってゆく彼の背中がやけに遠かった。 目が痛いほど光るネオンも耳をつんざくような騒音も今は私を通り抜けるだけ。