「病院に行かなくても、大丈夫ですから…。」
始めに声を掛けてくれた中学生らしい女性の隣に、大きな袋を持った、すらっとした長身の女性が立っている。
(とても綺麗…。)
ポニーテールで髪を束ねて、鮮やかなピンク色のワンピースを着ている。
色白で、目が大きく、顔が小さい。
ほのかに漂う香水がとても上品に感じさせる。
見た感じ、20歳くらいに見える。
涼子にとって、その女性がとても美しく、輝いて見えた。
「ダメダメ。どこか悪いなら病院に行かなきゃ。立てる?」
ポニーテールの女性は、涼子の隣に屈むと、肩を抱いて立ち上がらせようとした。
その反対側に、色黒の女性が同じように肩を抱いて立ち上がらせようとする。
その行動に対して咄嗟に2人の腕を振り払った。
自分でよろよろと立ち上がると、上目使いで目の前の女性2人を順番に見つめる。
「私…、3日間、お風呂に入ってないですから…。私なんか触ったら、汚れますから…。」

