(私の事を…、心配して助けてくれようとしている…。)
涼子は目の前でキョロキョロと誰かに助けを求めようとしている女性を見上げた。
(この女性…。)
幼い顔。
どう見ても自分よりも年下に感じた。
(中学生…、かな。)
更に自分が惨めに感じる。
(私…、中学生に心配されている…、情けないな…。)
再び涙が出て来たので思わず顔を下に向けた。
声だけが聞こえる。
「この人なんです。何だか体調が悪いみたいで。一緒に病院に運んでもらえませんか?」
「それは大変。分かった、私も協力するね。」
その声で、涼子が顔を上げた。

