2人のデートの目的地、須磨海浜水族園。
古くから神戸市民に愛されている水族館だ。
「待って。」
2人分の入場券を買おうとする七海を制して、麻里奈が券売機にお金を投入した。
「いつもいつも、お金出して貰ってばかりで…。」
「いいの、いいの。七海君、今月もお金ピンチなんでしょ?」
「…まぁ。」
「じゃあ、良いじゃない。私が出しても。」
「でも、デートの度に入場券も昼食代も全て出して貰うのはさすがに悪いよ…。」
「お金を出したくないなら、お弁当なり私が作ってくればいい事。それをしない私がむしろ七海君を喜ばせる事が出来なくて悪いと思ってるのだから。」
「…ありがとうね。」
「その代り…。」
麻里奈がニヤリとする。
「いつまでも、私の隣に居てね。」
「もちろんだよ。」

