「麻里奈ちゃん、大丈夫?」
心配そうな顔を見せる七海。
そんな七海に向かってにっこりと微笑んだ。
「大丈夫。ありがと。」
「ならいいけど。」
麻里奈は、バイト先のコンビニで七海と出会い、その優しさに触れているうちに好きになっていた。
七海は麻里奈と同じ大学3年生。
大学は別なのだが、どちらも岡本にある為、七海も毎日と言っていいほどバイトに入っている。
七海は隣の灘区の石屋川という地区で1人暮らし。
いわゆる、平凡な普通の大学生だ。
岡本から石屋川まで、直線距離では近いのだが、電車では乗り換えをしなければならない為、毎日30分かけて自転車で通学していた。
もちろん両親には七海の存在を教えていない。
すぐに別れさせられるのは目に見えているからだ。
親に知られたくない理由でオーナーを始め、他のバイトメンバーにも内緒にしている。
その為、いつもシフトでさりげなく休みを合わせながらデートを重ねていた。

