当然、父親は猛烈に反対した。
始めから、バイトと言うものに対して偏見を持っていた。
バイトとは、お金がない暇な学生だけがやる事だと思っている。
しかし、ずっと家の中で可愛がられていた麻里奈にとって、バイトはとても魅力的に映った。
大学でも、バイトや休日の過ごし方の話題をする友達を見ているととても羨ましく思えた。
だから、バイトさせてくれなかったら家を出ると半分脅して、無理矢理認めさせた。
コンビニのバイト。
JR神戸線の北側を東西に走る国道2号線沿いにあるコンビニ。
かなり家から近いので少し嫌だったが、父親からの条件で仕方なくそうなった。
学校が終わってから、週に3、4日。
3、4時間程度だが、とても楽しく勤めている。
そして、麻里奈はこのバイト先で、上沢七海(かみさわななみ)と出会った。

