「何か私に出来る事がないか必死に考えて、今日、有馬温泉に来たんです。」
一気に話すと、さくらは目に涙を浮かべた。
「ちょっと自棄になっている所もあるから、本当に何とかしてあげたくて…。毎日毎日必死で練習している姿見て来たから、私なら何か出来る事があるはずだと思って…。」
必死さを顔に出しながら一生懸命に話すさくらを見て、麻里奈はレモンティーの入ったカップを軽く口に付けてから、優しく話出した。
「ねぇ、さくらちゃん。」
「はい…。」
「さくらちゃんがその彼に対してとても必死になっている思いは分かるわ。」
「ありがとうございます。」
「でも、必死になる事が本当に彼の為になるのかしら?」
「どうゆう事ですか?」
意味が理解出来ない。
「そっとしてもらいたい時もあるって事よ。」
「でも…。」
麻里奈の言葉に納得出来ない表情を浮かべるさくら。

