「私たちの祖先は昔この町に住んでいました。
何かのキッカケで今私たちが住んでいる
山奥の峡谷の村へと移ってきたそうなの…」

リチャードはしばらく考え込んだ後
セリナへと尋ねた。
「そこまで連れて行ったら
必ず解読してみせるのですね?」

セリナは力強く頷いてみせた。

リチャードはコゼットをそばへ近づけて
「彼女をこの石板のところへと
連れて行ってあげてくれるかな?」
と耳打ちをした。

コゼットも力強く頷いた。

そしてリチャードはセリナへ念を押した。
「セリナちゃん?言っておくのですが…
この場所は立ち入り禁止エリアです。
見つかれば捕まって法の裁きを受けます。
コゼットも付き添わせます。
この子はなにかと腕の立つ子ですし
少しは私の考古学も頭に入っていますので
役に立つと思いますよ。」

セリナは最高の笑顔で感謝を告げた。