「あーちゃん!!あーちゃあん!!」


あたしの名前は"葉月有紗(ハヅキアリサ)"あーちゃんっていうのはニックネーム。

声がした方を振り向くとそこには、"大野唯斗(オオノユイト)"が立っていた。


「んー?なにい??」



唯斗とは三歳のトキ出会い そこから十一年間の付き合いだ。

いわゆる幼馴染みっていうやつだ。



「まってよー……んーっと。。」



あーー。昨日、唯斗に貸した消しゴムか…。ポケットに色んな物がたくさん

入っていて見つけられないのだろう。多分。

(相変わらず がさつだなあ…)



「…あった!! これ、ありがとお」



「あ、はあい!いいえー」


唯斗はニコッと笑うと どこかへ行った。

高い鼻に 大きい目 すらーっとした高い身長。まるで、モデルのようだ。

そのうえ、サッカー部で走りも速く運動神経抜群だ。

……だが、勉強になると、高得点で55点 一番低くて2点。いわゆるバカだ。

そのうえ、人にむけて唾を吐き 口の中に入れた食べ物を吐き出す。汚い人

だ。

だから、初対面の人には、よくモテる唯斗だが 唯斗のことを知る

と、すごい目で見られるのだ。だけどあたしは、三歳から十四歳という

長い十一年間見てきて 唯斗が好きだ。

これまで、唯斗とは ある意味 すれ違いの恋をしてきた。

あたしが、唯斗を好きになると唯斗は他の子を目で追っていた。

唯斗が、あたしを好きになったトキは あたしは他の人を目で追っていた。



「俺、3年、4年、5年のトキ あーちゃんが 好きやった!」


と言われたときあたしは笑うことしかできなかった。だって、どれも あたし

は、他の人に恋してたから。でも、あたしだって、三歳から八歳のトキと六年

生、中一。そして今も好きだってことを。いつか言おうと思っていた。そし

て、ついに明日その日がやって来る。告白するのだ。人生初の告白を…