唯花と乃々華は何かを感じ取ったのか、2人だけで話し始めた。
私は2人の気遣いに少し嬉しくなりながら、片岡について教室を出た。
人の少ない渡り廊下まで来たとき、彼が立ち止まった。
自分の手をぎゅっと握り締める。
「......ごめん...」
片岡は、私に背中を向けたままだった。
「私.....その...」
言わなきゃ。
片岡はすごく勇気出して、あの言葉を言ったんだから。
私も、言わなきゃ。
自分の気持ちから.......逃げてちゃいけない。
「ハルカが.......好きなの。だから.....ごめん」
ぎゅっと握り締めた手のひら。
冷たい風が吹いて、寒さに鳥肌が立つ。

