あ......。 このまま見てたらめんどいことになりそうだな。 またデカイ声で、「何見てるの」って叫ばれそうだ。 それに、黙って見てたなんて...キモイとか言われそうだし。 そんな言い訳を考えて、『見なかったこと』にしようとしている俺。 なんでだ。 釘付けになってコイツに見入ってたくせに。 白い吐息。 流れる雲。 無言で彼女の横を通りすぎて、何もなかったようにスタスタと歩く。