不意に気になった。
コイツを、こんな顔にさせた奴は誰なのか。
コイツの、心の中にいるやつは.......
誰なのか――――――
釘付けになっていた。
時が止まったみたいに。
流れる雲、青空、白い吐息、道端に咲いた花。
目に映る全てのものが、彼女を彩っていく。
儚い涙が―――彼女の頬を伝った。
綺麗だった。
太陽の光に煌めいて、まるで宝石みたいに輝いた涙が。
息を飲んで、言葉を失った。
俺がコイツを、笑顔にできたら。
―――――――違う
俺がコイツを.......
―――――笑顔にしたい
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